近年、アレルギー症状を引き起こす猫が増えており、併せて注目されているのがグレインフリーのキャットフードです。グレインフリーのキャットフードは穀物アレルギーの対策に最適。また、肉食である猫のために高タンパクな栄養設計になっており、特にアレルギー症状のない愛猫家の間でも人気があります。

しかし、そもそもグレインフリーとはどのようなものなのか、なぜ人気があるのか、またどのような製品を選べばよいのか悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そこで、グレインフリーキャットフードの特徴やメリット・デメリット、おすすめのグレインフリーキャットフード10選についてわかりやすくご紹介します。

グレインフリーキャットフードとは？

• 原材料に穀物を一切含んでいない
• 製品によっては穀物だけでなく、豆類も不使用の場合がある

グレインフリーとは、原材料に穀物を一切使用していないことを指します。「グレイン（grain）」は穀物、「フリー（free）」は含まないという意味です。

一般的には米や小麦をはじめ、トウモロコシ、大麦、ライ麦、オーツ麦といったイネ科に該当する穀物を一切含有していないものをグレインフリーと呼びますが、グレインフリーの商品の中にはイネ科の植物に加え豆類も「グレイン」の一種とみなし不使用としている場合もあります。

キャットフードにおいて、穀物はおもにキャットフードのかさ増しに使われることが多いことから、穀物＝猫にとって不要なものと見なされがちです。しかし、穀物には食物繊維によって猫の腸内環境を整えたり、穀物を含むことで結果的にキャットフードの栄養バランスがよくなったりする効果もあります。

やみくもにグレインフリーのキャットフードを購入するのではなく、メリット・デメリットを知った上で適切に選ぶことが大切です。

グレインフリーキャットフードのメリット

タンパク質が豊富

グレインフリーのキャットフードは、穀物を含まない分、タンパク質の含有率が高くなっていることが多いです。猫は肉食動物なので、キャットフードの主原料としては肉＝タンパク質が適切です。グレインフリーのキャットフードを食べさせることで、猫に必要なタンパク質を充分に補えます。

一般的なキャットフードに含まれるタンパク質は、成長期で30%以上、維持期で26％以上（AAFCO基準）ですが、グレインフリーキャットフードの場合は40%以上のタンパク質を含むものもあります。

ただし、タンパク質も多すぎると臓器に負担をかけます。特にシニアの猫は腎臓病にかかったり悪化させたりするリスクもあるため、不安ならかかりつけの獣医師に相談しながら与えましょう。

消化吸収が良い

グレインフリーのキャットフードは、猫にとって消化しやすいのが特徴です。猫は肉食動物なので、植物の消化をやや苦手としています。

たとえば穀物は腸内環境を整える食物繊維が豊富ですが、猫に穀物の含有量が多いフードを与えると消化器官に負担がかかり、かえって便秘を引き起こすこともあります。グレインフリーのフードであれば消化しやすいので、便の出もスムーズになるでしょう。

なお、猫は穀物の消化が苦手ではありますが、まったくできないわけではありません。穀物の主な栄養である炭水化物は猫にも必須の栄養素で、炭水化物自体はグレインフリーのキャットフードにも含まれています。

グレインフリーキャットフードの選び方

では、実際にグレインフリーキャットフードを購入するにあたってはどのようなポイントに注目するべきなのか、選び方を解説します。

原材料と安全性

原材料や主原料から購入するキャットフードを絞り込んでいきましょう。キャットフードのパッケージには必ず原材料が記載されています。原材料は含有量が多い順に記載してあるので、冒頭に記載されている材料が主原料です。

キャットフードの主原料には肉や魚などのタンパク質が使われていることが好ましいです。肉の場合はチキンやターキー、ダックや牛、魚の場合は白身魚やサーモン、マグロなどが多く使われます。もしミートミールと書かれている場合は、4Dミートといって死骸や病気の動物などを使った粗悪な材料が混ざっていることがあるので注意が必要です。

また、アレルギーを懸念して購入を検討している場合は先に獣医師に相談しアレルゲンの特定をしておきましょう。もし穀物以外にアレルギーがあった場合、「交差反応」のリスクもあります。

交差反応とは、たとえばマグロにアレルギーがある猫の場合、マグロだけでなく魚全般にアレルギー反応を起こしてしまうことです。アレルゲンを先に特定しておくことで、アレルゲンとなる原材料はもちろん、交差反応のリスクのある原材料も除外しながらフードを選べます。

ライフステージ

猫の年齢やライフステージに合わせてキャットフードを選択しましょう。ライフステージによって必要な栄養量が変わるため、合わせてフードも子猫用、成猫用、シニア用と段階的に変えていく必要があります。

特に近年は猫の長寿命化を受け、シニア用でも「7歳以上」「11歳以上」「18歳以上」など年齢によって細かく分けられている商品もあります。7歳以上対象と18歳以上対象の商品を比べると、栄養面はもちろん粒の大きさも食べやすいように工夫されていることが多いので、年齢に合ったものを選んであげてください。

なお、グレインフリーのキャットフードには全年齢対応のものも多くあります。全年齢用のフードなら子猫〜シニア猫までずっと使えるため、フードを切り替える必要がありません。ライフステージの異なる猫を多頭飼いしている場合にも、フードをそれぞれ用意しなくて済むので便利です。

添加物の有無

添加物の有無や、添加物の安全性も確認して選びましょう。添加物とは、たとえば次のようなものです。

• 香料
• 酸化防止剤
• 保存料
• 着色料
• 甘味料
• 発色剤

添加物には品質維持や食いつきの向上などさまざまな役割があるため、添加物＝必ずしも悪ではありません。もちろん完全無添加であることに越したことはありませんが、食いつきが悪い・価格が高いなどの問題もあるため、もし完全無添加でなくてもよいなら一部の健康に悪い添加物のみ不使用のフードを選ぶ手もあります。

たとえば着色料を使ったフードは色鮮やかな粒で美味しそうに見えますが、猫は人間と異なりほとんど色の判別ができません。そのため、着色料を使用する意味はほぼないといえます。

また、酸化防止剤のようにほとんどのドライフードに使われている添加物については、BHAやBHTのような化学物質ではなくローズヒップやローズマリー、ビタミンCなどを使用しているものを選べば安全性が向上します。

※本記事で紹介するドッグフードは、インターネット上での調査をもとに編集部が選出したものです（商品掲載内容において、獣医師による監修は実施しておりません）。

グレインフリーキャットフードのおすすめ10選

では、実際に栄養面や嗜好性に優れた、人気のグレインフリーキャットフードを10種類ご紹介します。

おすすめグレインフリーキャットフード比較一覧表

ジャガーキャットフード

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モグニャンキャットフード

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犬猫生活 キャットフード

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カナガンキャットフード サーモン

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GRANDS キャットフード チキン

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カナガンデンタルキャットフード

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ニュートロジャパン ナチュラルチョイス

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ニュートロジャパン ナチュラルチョイス キャット 穀物フリー アダルトの口コミ・評判

ピュリナ ワン キャット グレインフリー

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ホリスティックグレインフリーキャットフード

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フローラケア グレインフリー フィッシュ味

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グレインフリーキャットフードのデメリットや注意点

次に、グレインフリーキャットフードのデメリットについても解説します。

穀物アレルギーにのみ効果がある

グレインフリーのキャットフードは穀物アレルギーに効果的ですが、逆にいえば穀物アレルギー以外は防ぐことができません。

たとえば猫に目やにやかゆみ、皮膚病など何らかのアレルギー症状があったとして、いきなりグレインフリーのフードを購入して与えるのは早計です。猫は肉や魚、添加物などに対してもアレルギーを起こすことがあります。もし猫が魚に対してアレルギーを持っているのなら、グレインフリーのキャットフードを与えても改善しません。

それどころか、グレインフリーであることによりフード内の魚の含有量が多く、かえって症状を悪化させてしまう可能性もあります。アレルギー症状がありグレインフリーのフードを検討している場合は、獣医師の指導のもと、まずアレルゲンを特定することから始めるのが大切です。

腹持ちしにくい

グレインフリーのキャットフードは、そうでないフードよりも腹持ちしにくい可能性があります。穀物には食物繊維が多く含まれており、胃の中に長く留まってゆっくり消化されていくので腹持ちしやすいのが特徴です。

しかし、グレインフリーのキャットフードは食物繊維や糖質といった腹持ちに影響する原材料が少ないため、猫が空腹を感じやすくなります。各フードには必ず給餌量が記載されているため、適切な給餌量を与えていれば栄養・腹持ちどちらの面でも問題ありませんが、食いしん坊な猫の場合は物足りなくなってしまうかもしれません。

グレインフリーキャットフードに関するよくある質問

キャットフードの正しい保存方法は？

ドライフードの場合は、できるだけ密閉した状態で冷暗所（38度以下が目安）に保管しましょう。冷蔵庫ではなく常温での保存がベストです。冷蔵庫に保管すると、出し入れの際に温度差で結露してしまい、内部にカビが生えてしまうことがあります。正しい方法で保存することにより、栄養素の破壊や変質を防ぐことが可能です。特にドライタイプのグレインフリーキャットフードは、保存料を使用していない製品も多いので保存方法にも気を配りましょう。

食べた直後にキャットフードを吐いてしまう場合は？

グレインフリーのキャットフードは高タンパク質な分食いつきに優れ、猫によっては急いで食べるあまり吐いてしまうこともあります。このようなときは餌を与える回数を増やし、少しずつ食べられるようにしてあげるとよいでしょう。グレインフリーのキャットフードは腹持ちが悪いため、回数を増やすことで空腹を感じさせにくくする効果もあります。または、猫が遊びながらキャットフードを食べられる知育玩具のような餌皿や、早食い防止用に凹凸のついた餌皿を使用するのも効果的です。

グレインフリーキャットフードへの切り替え方は？

新しいキャットフードへ切り替えるときは、今まで食べていたフードに少しずつ新しいキャットフードを混ぜて与えましょう。猫は食べ慣れたものを好むので、いきなり新しい餌に変わると食べないだけでなく、下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。切り替えにあたり、1日目・2日目は全体の25%を新しいフードに、3日・4日目は50%を新しいフードにするといったように、日を追うごとに割合を増やしていきます。1週間ほどかけて、完全に新しいキャットフードに移行するのがおすすめです。

グレインフリーキャットフードのまとめ

編集部で選んだグレインフリーキャットフード10選を紹介してきました。グレインフリーのキャットフードは穀物を使わないため猫の消化に優しく、高タンパクなので肉食の猫に向いています。しかし、一方で高タンパクゆえに腎臓に負担をかけるリスクや、腹持ちしにくいといった欠点があるのも事実です。メリット・デメリットをよく理解した上で愛猫に与えましょう。

特にアレルギー症状がある場合は、まずアレルゲンの特定をしてから与えることも大切です。グレインフリーキャットフードは無添加やヒューマングレードの素材にこだわった高品質な商品や、全年齢対応でずっと食べられる商品も多くあります。愛猫の健康のために、ご紹介したキャットフードからぴったりの商品を見つけてみてください。